英語コラム

Robin's English

女王陛下の英語 "Queen's English"

「正式な話し英語」って何だろう?RP(容認発音)やBBC英語、クイーンズ・イングリッシュなど、色々挙げる人もいると思うけど、英国のさまざまな町を歩いてみると、「正式な英語」の探求っていうのは、「ダ・ヴィンチ・コード」の謎を解明するようなものだということがわかると思う。(まあ、このダン・ブラウンの胡散臭い小説と違って、面白く価値のある探求になると思うけど!)。最近じゃ階級とは関係なく、あまり格調高くない、文字通り「Classless」な言葉が増えているからね。

冒頭の質問の答えを知りたいのなら、ウインザー城を訪ねてみるのが手っ取り早い。自分の名前が英語の代名詞になっている人がいるからね。彼女だって未だに英語を練習しているはずだ。

大衆が初めてエリザベス女王(当時)のRPアクセントを聞いたのは、1940年10月13日のこと。彼女が大英帝国のすべての子供たちに対して挨拶をしたのが最初だった。今それを聞いてみると、アクセントが自分の経歴に直接反映していた時代に戻った気がするよ。

オーストラリアにあるマッコーリー大学のジョナソン・ハリントン氏の研究によると、女王のアクセントは時代によって変化しているらしい。彼は52年から89年にかけて行われた女王のクリスマス・スピーチを分析しているんだけど、彼いわく、女王のアクセントは幼少時代のRPから、BBC英語に移行しているらしい。例えば初期のスピーチでは「had」の母音を「bed」[bed]を言うように軽く発音していたんだけれど、後になって「bad」[bæd]のようにつぶれたような発音をするようになったというんだ。理由には色々あるらしいけど、もっとも説得力のある主張としては、社会の影響と、次第に無礼になってきた国民が彼女の発音を笑いものにしていることに、彼女自身が気づいたことが挙げられる。

今では、どのTV司会者も有名人も「河口域英語」(容認発音とコックニーの中間)や「Mockney」を話す。今ではマドンナの夫としての方が有名な映画監督のガイ・リッチーがこの流行の極端な例。準男爵の養子でエドワード1世の子孫でもあるという、実はバリバリの上流階級出身の彼は、パブリック・スクールで教育を受けたものの、社会進出へのパスポートを手に入れるため、あえてコックニーのアクセントを身につけた。ある社会評論家なんか辛辣な口調で、英国社会はわざと下層階級ぶった「Chavs」(チャブ)とチャブじゃない人の2種類に分かれてしまったと嘆いている。

我々英国人は、今や階級の影響をそれほど強く持たなくなった話し言葉を嘆くべきなんだろうか?この問題は結局、ネアンデルタール人が最初に言葉を発して以来、常に繰り返されている過程の一例にすぎないんだ。英語教師の僕としては、こうやって常に英語が変わり続けるお陰で、活気のある授業が出来るんだって感謝してるよ。

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